あまりにも暑すぎると夏に激怒したサトルは、エアコンを自作することに成功する。
 しかし悲しいかな、手頃だからと冷媒にプロパンを使った結果、エアコンもろとも自宅が吹き飛んだ。それによって風通しが良くなり、サトルの自宅の周囲一体は気温が2℃減少する。
「おまえの家が諸悪の根源だ」
 と指摘されたサトルは、家の破片の片付けもそこそこに、新たな家を求めて旅に出る。だが予算はないのだった。
 放浪し、貧窮にあえいで、サトルは死にかけるが、そこですべての指をなくした雀士、K氏に出会う。
「おまえはツモる才能がある」
 と寄ってきたK氏を殴り倒し、財布を奪ったサトルは、その中に何も入っていなかったことに絶望し、コンビニのおでんを素手で無銭飲食する。
 逮捕され、留置所に入ったサトルは、その夜、餅巾着で胃もたれを起こして悲鳴を上げた。
 その悲鳴は近隣に響き渡り、海を越え、山を越え、遠くアメリカのフリースクールに通う十代の女性マリアンの耳に届いた。マリアンは魔法少女だった。
「わたし、サトルくんを助けなきゃ!」
 宿題をサボって日本に発とうとするマリアン。しかし彼女の両親は懸命にそれを止める。「なにを言っているんだ、狂っている」という両親をマリアンは得意のジャーマン・スープレックスでリングに沈め、パスポートもないのに日本へと旅だった。空港で捕まった。
 今週のサトルの運命や如何に。

※ようやく作者が急病になってくれたので今週の『サトルの恋物語~三種のチーズを添えて~』はお休みです。やったぜ。