身長について
わたしは背が高い。具体的に言うと、188cmある。
日本人の平均値に対して高いだけかと思いきや、イギリスでもオーストラリアでも大抵の人はわたしより背が低かった。世界的にみて高身長なのかもしれない。具体的な世界平均は知らない。
いいですね、とよく言われる。
一般に背が高いことは良い特徴とされている。ように思う。男性ならば「モテる」「格好いい」特徴とされているようだし、 女性でも一昔前こそ「デカ女」などとけなされることもあったようだが、最近では「モデルみたい」「綺麗」と評されているように感じる。
実際に背が高い身だと、なんとも思っていない。
高学歴の人が「学歴で人生は決まらない」と言うのに似ているかもしれない。それを持っているからといって幸せではない、という自分の状態を元にした発言だ。
背が高いことによって得られた利益もある。まず人に覚えられやすい。名前は覚えられなくても見た目でわたしを記憶している人は多いだろう。もっとも、これはそのまま欠点でもある。遠目からでも特定される特徴なので、望んでいないときに目撃されることも多いのだ。休日に髭もそらずに歩いている様を、翌日会社で同僚から「見ましたよ」と言われるのは恥ずかしい。
背が高いことによって生じる不利益は、まず身体的な危険が増えることだ。世の中の大抵のものは188cmの人間が問題なく使えるように設計されていない。例えば電車のドアはわたしの身長より低い。だから満員電車でドア際に立っていると、停車したときに降りる人に押し出され、頭をぶつけることがしばしばある。実家の玄関の枠に頭をぶつけたこともある。見た目には面白いがわたしにとっては重大事故だ。こぶになる程度で済むなら可愛いもので、裂傷して血が流れたこともある。
物事、際だった何かというものは、必ずメリットとデメリットを保有する。良いことを得るためには悪いことも得なければならない。
背が高いことで馬鹿にされたこともいじめられたこともある。「違う」というのはそれだけで差別の対象になりがちだ。
背が低い人のことを悪く言う人の気が知れない。言っているのは背が低い人だけなんじゃないか、と思っている。わたしにとってはどうでもいいことだ。背の高さに良いも悪いもない。