出不精

 極度のインドア気質である。

 なぜなら外に出る理由がほとんどない。好きなものは大体、家の中にある。妻とか小説とか映画とかがそれだ。結果として家からほぼ出ない。本当に出ない。「仕事」「買い出し」「映画」以外の理由で家を出た直近の日を挙げるには、先月のコミティア127まで遡らなければならない。

 外に出るのが嫌いなわけではない。出る理由がないだけだ。

 ……と、思っていたのだが、最近はそうでもないような気がしてきた。

 実家住みだった頃は、家にいなければならない時以外は外に出ていた。小説を読むのも書くのも喫茶店。漫画喫茶にもよく行った。家に極力居たくなかった。

 理由は部屋が汚かったからだ。

 全然落ち着かない。居るだけで疲労が溜まる。片付けようにも、本を捨てようとすると「わたしはまだ読んでない!」家族に止められ、 本以外も「もったいない」と止められた。それを無視して捨てようにも、そもそもそれらは自分の賃金で得たものではないので、捨てる権利がなかった。

 就職し、実家を出た結果、家は自分の裁量で運営できるようになった。

 そのため、いまは部屋が綺麗だ(妻の区画は例外)。

 実家住みだったあの頃、とにかく外に出続けた反動が、いまのインドア気質に繋がっているのかもしれない。きっと無意識のうちに「できたら外に出たくない」と思っているのだろう。

 2019年3月現在、わたしはたぶん、外に出るのが嫌いだ。

 今週末は妻とデートなので外出する。デートの内容は映画だ。『グリーンブック』を観る。映画以外のデートはここ半年ほどない。そろそろ怒られそうである。